そのやんブログ

長野たかしさん 補聴器体験レポート

そのやん
2016年12月14日

先日、お出でいただいた長野たかしさんの本人の体験レポートです。
長野さんのFacebookが見られない方のために転写いたします。
難聴で悩んでいる方の参考になればとのことで公開して頂きました。
(長野さんの表記に一部訂正したい語句がありますが、あえてそのまま掲載します)

補聴器体験記
左耳が突発性難聴になって十数年、ステロイドの点滴を受けに病院通いもしたが、結局治らず今に至っている。
日によって状態は異なり、ザーーーっという波のような音が聞こえていたり、夏の夜の田んぼの畦道のようにジーージーーっといった虫の鳴き声のような音が聞こえたりもする。
右耳を塞いで左だけでテレビの音を聴いてみると、肝心の人の声が遠くに聞こえ、音域によっては全く聞こえない人の声もある。
しかし、両耳だと音量を上げるとなんとか聞こえるので、「まあいいかぁ」で過ごしてきた。
(そんなわけで、ステージの立ち位置は綾子にはいつも聞こえている右側に立ってもらっている。まあ、ギターのヘッドが当たらないので、右側の方が都合がいい。)
でも、居酒屋、喫茶店、の雑音の多い所、会議室などの反響の多い場所では人の話が全く聴き取れない時がある。綾子は「この人ニコニコ笑ってうなづいているだけの時は、聞こえていませんからね」と笑いを取ってくれるが、実際まったくそのとおりの時もある。
このままだと聞こえなくなるのかなぁ…などと少し不安になり、音楽仲間で補聴器を扱っていると聞いたことのある、園原君「そのやん」に連絡をとってみた。そのやんはオリジナル曲を歌い、私がベースでサポートをしたことをとても喜んでいてくれていて、快く相談に乗ってくれた。

先天的に難聴の方が、何か月かの調整と練習で聞こえるようになり、涙を流して喜んでくださったことの感動を熱く語り、補聴器の仕事に情熱を持って取り組んでいる「そのやん」
豊中補聴器センター
https://hochouki-toyonaka.com/
そして一度店で詳しく検査してみましょうということになり、彼の店で検査を受け、難聴についての弊害などの話も教えてもらった。
このまま放っておくと、「イヌ」を「イネ」と聞き違えるのはまだいい方で、まったく関係ない「よる」と聞き違えたりするようになったりすることなどの、実際のテスト結果を見せてもらった。
そして人との話が嚙み合わなくなると脳が、段々さぼりだす状態も起きるようです。言葉をつかう仕事を選んでいる私にとっては致命傷的なことだ!
そこで、ちょっと試しに補聴器をつけてもらうことにした。
今は、ミュージシャン用に特化した補聴器が開発されているようで、それを試しにつけてもらった。
https://www.starkeyjp.com/product/l…
『ん~、ちょっとリバーブがかかっているような…二重に音が聞こえるような…。』
彼に違和感を伝えると、コンピューターに繋いだりしてちょっと調整してくれた。
『お、二重音は消えたぞ。』楽器の音はどうだろう?
なんと、彼の店の向かいには試聴室がありそこにはウッドベース、バンジョー、ギターがそろえてあり、まるでちょっとしたライブもできそうな部屋が用意してある。早速ギターを弾いてみる。『低音から高音まで、クリアな音が聞こえる!これはいい!』で、声を出して歌ってみる…。『あれ?変だぞ?歌いにくい!っていうより自分の声が歪んでいる~ぅ』

彼の説明を聞く。
補聴器は調整をしつつ、それになれる訓練をしなければいけない。
そのためには少し時間がかかります。月に一度か二度通ってもらっています。

そうか、骨伝導の音声もあるものな、複雑だよね「聴こえる」って。
しかし、他人の声はクリアに聞こえたし、今の自分にとってはどんな場所でも、人の話がちゃんと聴けることが一番なので、本格的に補聴器を付けることにし、発注してもらった。

2週間ほどかかったが、商品が届いたとの連絡が入り、いよいよ本格的な調整と訓練に入る。
さて、自分の体と機械との折り合いが面白そうなので、これからの経過を体験記としてノートに書き残していくことにした。

阪急宝塚線岡町駅西側歩いて1分の豊中補聴器センター
★12月12日(月)17:00
いよいよ補聴器の装着!ワクワクしながら「豊中補聴器センター」に到着。
先ずは、前回みてもらった聴力測定のグラフを確認して、これからの調整の説明を聴く。

青いグラフが難聴の左耳。困ったことに右耳も1KHzあたりが聞こえにくいことが分かった。

手を擦り合わせた「シュルシュル」という音が人間の発生する「さ」の音と同じだそうです。私は、右と左ではまったく聞こえ方が違います。皆さんも一度試してみてください!
右耳にウレタンフォームを詰め聞こえなくして、難聴の左耳だけで語彙の認識テストをする。

瞬時に固まるウレタンフォーム。糸は、取り出し易くするためのもの。
スピーカーから流れる言葉を反復する。私は「ヒザ」を「ヒダ」と聴こえてしまった。
他にも「チョキ」の「キ」の音が聞こえなかった。

スピーカーから流れる女性の声を反復する。簡単なことと思ったのだが…
結果をみて、そのやんが補聴器をコンピューターに繋げて調整をする。

コンピューターの数値やグラフだけでなく、自分の声と耳で確かめながら調整をする「そのやん」
いよいよ装着!

さてさて、どんなんかな?
私は、楽器を弾くのだからと、そのやんがギターを用意してくれる。
ここからが、そのやんのお得意のジャンルだ!

お、いいギターだな~!
うむ…、クリアーに聞こえるが、いらない倍音もくっ付いて聞こえるぞ。
そのことを、そのやんに伝えると「影がついてくるんですね」
なるほど「影」とは言い得て妙なり。
すぐに調整してくれる。
消えた…。
ギターの音は少し高音がキラキラしすぎるところがあるが、人の声はとてもクリアーに聞こえる!
これで、歌も歌ってみたくなり、そのやんにお願いしてリスニングルームに移動。

補聴器センター別館のリスニングルームの外観はまるで喫茶店のようなお洒落な装い!
ちょっとしたライブもできそうなご機嫌な空間で歌ってみる。

そのやんの取って置きのギターを借りて歌ってみる。
綾子さんとも歌ってみる。
自分の声よりも、綾子さんの声の方が少し大きく聞こえる。
いや明瞭に聞こえると言った方がいいのかもしれない。
2曲ほど歌ってみた。
うんうん、慣れれば、装着したままステージに立てるかもしれないぞ…。
さて、センターに戻り、この補聴器の特徴や機能を教えてもらう。

24チャンネルの高性能の調整機能が付いているとのこと
補聴器というのは、いっぺんで使えるものではないそうです。
一度に聞こえるようにしてしまうと疲れて、装着するのが嫌になってしまうそうです。
今回は70%の聞こえ調整に抑えてあるそうです。
これで、一日1時間を3回程度装着して、1週間ほどしてもう一度調整するとのこと。
あと、扱いについての注意を聞いて、今回は家路についた。
【つづく】